ノーベル平和賞受賞が決まった、チュニジアの労働組合など4者による「国民対話カルテット」の代表者ら=2013年9月、チュニジア・首都チュニス(ロイター)【拡大】
チュニジアでは今年3月、国立バルドー博物館が襲撃され、日本人3人を含む計22人が死亡するテロがあるなど不安定な面も残る。委員会は授賞がチュニジアの「民主主義を守る」ことにつながるよう期待を示した。
混迷「アラブの春」に道示す
今回の授与は、民主化運動「アラブの春」の行き詰まりで挫折感が拡大、難民発生で混乱を広げる中東に、ノーベル賞委員会が難局克服の道筋と希望を示す狙いがある。
中東各国で民主化の頓挫が相次ぐ中、チュニジアでは、「国民対話カルテット」に触発された国民がついに民主的憲法を手に入れた。
一方、エジプトはイスラム勢力出身のモルシー氏を自由選挙で大統領に選んだが、シーシー国防相(現大統領)主導のクーデターで政権は崩壊。カダフィ政権が倒れたリビアではイスラム、リベラル両勢力の対立が噴出、国家分裂の状態となった。
シリアは内戦に陥り、過激派組織「イスラム国」が台頭し国際社会の脅威となり、大量の難民が欧州に押し寄せている。解決の道が見えないまま米欧などに加えロシアも軍事介入、情勢はさらに混迷を深めている。