Vサインとスローガンを掲げ、首都アンカラで起きたトルコ史上最悪の爆弾テロ事件に抗議する人たち=2015年10月10日、トルコ・イスタンブール(AP)【拡大】
トルコ政府とクルド勢力との確執は、米軍の対「イスラム国」作戦にも影響する。米国は空爆に連動する地上部隊として、シリアのクルド勢力と協力を深めたいが、トルコは望まない。トルコの意向も無視できず、米国はいらだちを募らせる。
トルコが対「イスラム国」、対PKK作戦を始めた時期は、6月の総選挙で与党の公正発展党(AKP)が過半数割れし、国政の停滞が始まった時期と重なる。11月1日に再選挙を控えるが、AKPは過半数奪還を見通せず、混乱の長期化が現実味を帯びる。
「暗黒時代」の予兆
一方、シリア内戦は多くの難民を発生させ続ける。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に登録されるシリア難民約400万人のうち半数の約200万人がトルコで暮らし、今夏、欧州に押し寄せたシリア難民の多くがトルコを経由した。
トルコの難民対策は限界を超えていると指摘され、政情不安が続けば対応の遅れに拍車が掛かるのは必至だ。これ以上の難民流入を防ぎたい欧州各国にとってトルコ情勢は自国に直結する課題に急浮上している。
英BBCの特派員、マーク・ローウェン記者は「アンカラで起きた悲劇は『暗黒時代』の予兆だ」と指摘した。(共同/SANKEI EXPRESS)