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【佐藤優の地球を斬る】対米改善にみるイスラエルの現実的外交 (2/3ページ)

2015.11.14 10:00

険しい表情で、バラク・オバマ米大統領(右)と会談するイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相=2015年11月9日、米国・首都ワシントン(ロイター)

険しい表情で、バラク・オバマ米大統領(右)と会談するイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相=2015年11月9日、米国・首都ワシントン(ロイター)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 今回、米国とイスラエルが関係改善を図ったのは、ロシアがシリアに本格的に軍事介入を介したという新たな混乱要因があるからだ。その結果、シリアのアサド政権が権力基盤を強化した。現実的に考え、アサド政権が近未来に崩壊することはない。

 イスラエルとしては、アサド政権が存続する方が、同政権が崩壊し、シリアが大混乱に陥るよりはましである。ただし、アサド政権の後見国はロシアだけではない。イランも政治、経済、軍事の全分野でアサド政権に対する支援を行っている。イランはシリアを通じてレバノンのシーア派民兵組織ヒズボラに対する支援を以前から行っている。ヒズボラはイスラエルを敵視し、ロケット砲による攻撃を頻繁に行っている。アサド政権が権力基盤を回復するとヒズボラに対する支援が一層強まることは、イスラエルの安全保障にとって脅威となる。そこで、イランの核開発問題に関するオバマ大統領の政策については脇に置いて、ネタニヤフ首相は米国との関係改善に踏み込んだ。イスラエル外交は現実的だ。イランが近未来に核保有国になることを前提として、抑止力を高めていくことを考えているのであろう。

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