低い目標に官邸「待った」
「3000万人プラスアルファに向けた対応を検討」。政府が9日に開いた「観光ビジョン構想会議」初会合を前に国土交通省が準備した資料の文言に、首相官邸から「待った」がかかった。
「30年に3000万人超」の目標は既にあり「上積みが小幅な印象で、菅義偉官房長官が納得しなかった」と関係者。官邸サイドの意向を踏まえ「新たな目標の設定と対応を検討」に差し替えた。
会議は安倍晋三首相をトップに、来年3月末までに官邸主導による新目標設定を目指す。
安倍政権が観光立国に力を入れる背景には、足踏みが続く経済状況がある。外国頼みとはいえ旅行者数、消費額ともに急増する観光は、実績をアピールしやすい分野だ。
官邸筋は「ビザ発給要件の緩和や、消費税免税の拡充が奏功した」と胸を張り、別の関係者も「地方創生へ大きなインパクトがある」と政策推進に意欲を語る。