今年9月、自民党総裁選の出馬断念を記者会見で発表した野田聖子前総務会長。最近の南沙諸島をめぐる発言は、首相の座をさらに難しくした=2015年9月8日、東京都千代田区(早坂洋祐撮影)【拡大】
もう首相の座は諦めたのですか-。自民党の野田聖子前総務会長が、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島の岩礁埋め立てを「直接日本と関係ない」などと述べたことに対し、党内で激しい批判が巻き起こっている。南沙は日本にとって重要な海上輸送路であるうえに、「国際法を無視して強引に領土領海の拡張を図る中国への基本的認識が、あまりにも低すぎる」(自民党幹部)からだ。野田氏は9月の自民党総裁選で出馬を模索したが、当時野田陣営の推薦人になろうとした議員ですら、「首相を目指す資質が欠けた」と落胆を深めている。
決定的な認識不足
問題の発言は、11月4日放送のBS日テレ番組で飛び出した。野田氏は日本外交のあり方について、労働力人口の減少などを理由に「日本に力を持ってして外交を進める余力はない。対話に次ぐ対話だ」などと主張。特に中国や韓国に対しては「大人の知恵」として、「南沙の問題を棚上げにするくらいの活発な経済政策のやりとりとか、互いの目先のメリットにつながるような二国間交渉をしなければならない」と力説した。