鶴岡八幡宮、建長寺、円覚寺、高徳院など鎌倉を代表する社寺の被害も甚大で、国宝の円覚寺舎利殿は倒壊、同じく国宝の鎌倉大仏(高徳院)は前のめりというか、前方へ45センチも移動し、さらに翌年1月15日の丹沢地震で今度は約30センチ後退したという。よくぞご無事で、と改めて思いますね。
会場では、国宝館所蔵の震災図巻も公開されている。関東大震災の惨状を目の当たりにした南画家、藤原草丘が『鎌倉における甚大な被害と人々の混乱の様子を六巻にわたって描いた絵巻』である。長谷の火災の様子、坂ノ下海岸に押し寄せる津波、材木座や由比ガ浜の津波の跡…。全体が淡い色調であるせいか、紅蓮の炎や渦巻く波がひときわまがまがしい。
特別展は12月6日まで。関東大震災で倒壊したお寺の下敷きになり、その後に修復された仏像なども公開されている。年の瀬の慌ただしい時期を迎えるが、機会があればぜひ訪ねてほしい。(編集委員 宮田一雄/SANKEI EXPRESS)