カナダの通信会社の衛星を搭載し、打ち上げられる改良型H2Aロケット29号機=2015年11月24日午後3時50分、鹿児島県熊毛郡南種子町の種子島宇宙センター(共同)【拡大】
衛星はテレサット社の通信放送衛星で、重さ約5トン。分離後に大西洋上空の高度3万6000キロの静止軌道に入り、欧州やアフリカ、南米などをカバーする計画。打ち上げ費用は120億円前後。
H2Aが静止衛星を分離するまでの飛行時間はこれまで約30分だった。今回はエンジンの噴射回数を2回から3回に増やし、より静止軌道に近い位置に衛星を届けた。燃料の蒸発を防ぐため、2段目の機体の色をオレンジ色から太陽光を反射する白色に変更。飛行中の姿勢制御も工夫した。JAXAは改良のため開発費92億円を投じた。
今回の成功で、悲願だった国際的な打ち上げ市場への参入に向けて大きな弾みになりそうだ。商業衛星を打ち上げる国際市場は、欧州やロシアが圧倒的なシェアを占めており、関係者は「日本も土俵にやっと乗れた」と喜んだ。
「大迫力」ファン歓声
発射場から約3キロの公園では、カメラを構えたファンら約300人が見守り、ロケットが飛び立つと一斉に歓声が湧き起こった。大阪市北区から見学に来た女性会社員(37)は「予想を上回る大迫力。発射の瞬間は感動して声が出なかった」と話した。