衆院選の「一票の格差」訴訟の上告審判決のため、最高裁に向かう原告側の升永英俊(ますなが・ひでとし)弁護士(手前右から3人目)ら=2015年11月25日午後(共同)【拡大】
裁判官のうち弁護士出身の3人は「違憲」と判断し、昨年の選挙まで約3年8カ月が過ぎており「是正は可能だった」と反対意見を述べた。うち2人は「選挙無効」とした。「合憲」は2人だった。区割り改定時に内閣法制局長官だった山本庸幸判事は、審理に参加しなかった。
全国訴訟は2つの弁護士グループが起こした。1審に当たる全国14の高裁・高裁支部の判決(計17件)は「違憲状態」12件、「合憲」4件で、「違憲」は福岡高裁の1件だけだった。
国会では現在、衆院の有識者調査会(座長・佐々木毅元東大学長)が、別枠方式に替わる新たな方式の導入に向けた議論を進めている。最高裁は最大格差2.30倍の09年選挙と、2.43倍の12年選挙を「違憲状態」と判断していた。
≪今回も甘口判決 国会の動き見守る≫
昨年衆院選の一票の格差訴訟で最高裁は今回も違憲判決に踏み込まなかった。選挙制度の抜本的見直しを国会に厳しく迫る姿勢をやや軟化させ、国会の取り組みを見守る立場に転じた最高裁。今回は「0増5減」の区割り改定を評価しながら、現在進行形の選挙制度改革を急ぐよう国会にボールを投げた。