衆院選の「一票の格差」訴訟の上告審判決のため、最高裁に向かう原告側の升永英俊(ますなが・ひでとし)弁護士(手前右から3人目)ら=2015年11月25日午後(共同)【拡大】
実効性あるキャッチボール
だが早くも改革実現に後ろ向きの声が漏れる。自民党選挙制度改革問題統括本部長の細田博之幹事長代行は「むげに地方の定数を減らし、大都市の定数を増やしていいのか。地方代表を減らすことが民主主義の立場なのか」と、改革に慎重な構えを表した。こうした動きを慶応大の小林良彰教授(政治過程論)は「国会はまた小手先の区割り改正を繰り返すのではないか」と心配する。
一票の格差訴訟は衆院選、参院選のたびに起こされ、最近は原告側の弁護士グループが全国の高裁、高裁支部に一斉提訴する大規模訴訟が定番化しつつある。
今回の最高裁判決では、千葉勝美裁判官が個別意見で、裁判所と国会が今置かれている状況を「実効性のあるキャッチボールが続いている」と言い表した。原告側が求める「格差ゼロ」が実現する見込みはなく、当分は警告と微修正の応酬を続ける以外にないというのが、多くの司法関係者の見方だ。
千葉裁判官は個別意見で「区割りがほぼ自動的に変更・修正されるようなシステムが構築されれば、定数訴訟は役割を終えることになる」と期待を示した。(SANKEI EXPRESS)