環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)総合対策本部第2回会合であいさつする安倍晋三(しんぞう)首相。右隣は甘利明(あまり・あきら)TPP担当相=2015年11月25日午後、首相官邸(共同)【拡大】
政府は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効に備えて、農林水産業や中小企業など幅広い分野の対策大綱を決めました。
Q ポイントは
A 関税の撤廃や削減で輸入が増えると、生産者の収入が減ることが想定されるため、収益を補う対策が盛り込まれました。逆に協定参加国への輸出拡大が見込める産品に関しては、生産者の意欲を後押しする施策を実施します。
Q 収益減少への対策は具体的には
A 既存の制度を活用したり拡充したりして対応します。輸入量が増加するコメは備蓄制度を使って政府の買い入れを拡大します。牛・豚肉は所得補填(ほてん)を赤字分の9割に引き上げます。
Q 協定の影響ははっきりしたのですか
A 参加12カ国が大筋合意した10月5日から2カ月足らずです。政府は農林水産物61品目を選んで影響は限定的だと説明しましたが、専門家には現時点で判断するのは時期尚早だとの意見があり、見方も分かれています。当面は、政府が12月下旬の公表を目指す経済全体への影響に関する試算が注目されます。