求刑が懲役1年6月程度の場合、仮に裁判所が有罪と認定しても、実刑判決を下すケースは少ないとされている。また、韓国で執行猶予付きの罰金刑はないため、裁判所が罰金刑を猶予する判決を出したい場合に、宣告猶予を言い渡すこともある(懲役刑の宣告猶予もある)。
宣告猶予とは英国や米国で発達した制度で、日本は採用していない。裁判所が被告の有罪を認定した上で、刑の宣告を猶予する。一定期間(韓国の場合2年)、別の件で有罪判決を受けなければ、刑事罰を免れるだけでなく、有罪判決自体が消滅する。執行猶予と異なり、前科にもならず、実質的には無罪と同じ扱いになる。
ただし韓国の刑法では、「1年以下の懲役、または罰金の刑を宣告する場合、改悛(かいしゅん)の情が顕著なときには、その宣告を猶予することができる」などと規定されている。加藤前支局長は起訴事実を全面的に否認し、無罪を主張している。そもそも検察側も論告求刑で、加藤前支局長は「改悛していない」と指摘しており、ハードルは高い。裁判所が「改悛の情」をどう判断するかがポイントとなる。