ウィルソンの魅力とは何か。「スター性はもちろん、コメディアンでもあり、何でもできる人です。本作には性的な演技が含まれていますが、見ていて『この人に本当に襲われるんじゃないか』と思えてくるような俳優は主人公に向きません。でもウィルソンには滑稽さと少年ぽさが見て取れる。実際にそのような人を探すのはすごく難しいんです」
ショービジネス知り尽くしている
本作はアーノルド、イジー、デルタの他にも、昔からデルタに好意を寄せている人気俳優(リス・エヴァンス)、イジーに一目ぼれする脚本家(ウィル・フォーテ)、その恋人で人の話を聞かないセラピスト(ジェニファー・アニストン)ら一癖ある大人の男女も加わって、物語は複雑な展開をみせる。「僕は長年、ショービジネスに関わり、たくさんの舞台を制作してきたから、すべてを知り尽くしています。自分がよく知っている内容を脚本に書く-というのが僕のスタンス。だから、本作ではショービジネスの世界を舞台に選びました」。この物語は自分にしか書けないものだという強烈な自負が行間から伝わってきた。東京・新宿シネマカリテほかで公開中。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)