折衝に臨む塩崎恭久厚労相(左)と麻生太郎財務相。診療報酬の本体部分増は安倍晋三(しんぞう)首相の強い意向だったという=2015年12月21日午後、財務省(共同)【拡大】
その社会保障費抑制の試金石となったのが、2016年度の次期診療報酬改定の改定率だった。年末の16年度当初予算案の編成に合わせて政府・与党で合意された診療報酬全体の改定率はマイナス0.84%。診療報酬全体のマイナス改定は08年度以来8年ぶり。内訳をみると、医薬品や材料の価格である「薬価部分」を1.33%引き下げる一方、医師らの技術料にあたる「本体部分」は0.49%の引き上げとなった。
前回の14年度改定では、消費税率の8%引き上げに伴う医療機関の仕入れコスト増の補填分を上乗せしており、「本体部分」の実質の改定率はプラス0.1%しかなかった。そう考えると、今回の「本体部分」のプラス0.49%は上げ幅が5倍も増えた格好だ。
塩崎恭久厚生労働相(65)は21日、閣僚折衝で改定率が正式決定した直後の記者会見で、改定率について「医療機関の経営状況や働いている方々の賃金動向をよく加味しながら考えた」と説明したが、来年夏に参院選を控え、「本体部分」の引き上げを求めていた大票田の日本医師会(日医)に配慮したのは間違いない。