政府は26日、「1億総活躍社会」に関して閣僚や有識者による「国民会議」(議長・安倍晋三首相)を官邸で開き、緊急対策を決定した。家族の介護を理由とする離職をなくすため、2020年代初頭までに特別養護老人ホームなどの介護サービスを50万人分増やすと明記。待機児童解消に向けた保育の受け皿50万人分と合わせ、計100万人分の整備を掲げた。
人手不足解消見通せず
20年ごろに「名目国内総生産(GDP)600兆円」を目指し、最低賃金引き上げや低年金者への給付金も盛り込んだ。
首相は会議で「内閣の総力を挙げて直ちに実行に移していく」と強調した。ただ介護や子育て現場で深刻な人手不足の解消について、有効策は打ち出しておらず、目標達成は見通せない。
15年度補正予算案や16年度当初予算案に反映し、制度の見直しが必要なものは来年の通常国会で法改正を目指す。
首相が掲げた新三本の矢のうち「介護離職ゼロ」では、特養のほか泊まりを組み合わせた在宅サービスなど48万人分を増やし、「サービス付き高齢者向け住宅」も2万人分増を見込んだ。