政府・与党には来年夏の参院選を意識し国民へ分かりやすくアピールしたいとの思惑があるが、人手不足が深刻な保育士や介護職員らの給与増への言及が見送られるなど、根本的な解決に向けた具体策としては物足りなさも残る。
緊急対策で最後まで調整作業が残ったのが、特別養護老人ホーム(特養)など介護サービスの受け皿を新たに整備する規模についてだった。
厚生労働省は今月12日の「1億総活躍国民会議」で、2020年度に34万人分としている現行計画を6万人分上積みして、20年代初頭までに40万人分と提案したが、官邸サイドはさらなる上積みを要求。「介護離職ゼロ」の目標に「特養待機者解消」も加え、必要な整備数に介護施設ではない「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」などの整備計画も加えて、何とか「50万人分」という数字をひねり出した。
保育や介護のサービス整備を加速できたとしても、それに伴う保育士や介護職員といった担い手の確保が必須だが、緊急対策には待遇改善策が盛り込まれなかった。保育士や介護職員らの賃金は全産業平均に比べ低いため、慢性的な人手不足が続いている。