日本で公開中の映画「完全なるチェックメイト」の撮影に臨むトビー・マグワイア(アニープラネット提供)【拡大】
《冷戦下の1972年。天才チェスプレーヤー、ボビー・フィッシャー(マグワイア)は、そのときの気分で試合を棄権してみたり、大会の主催者に無茶苦茶な要求を突きつけてみたり、ときには過激な政治的発言をしてみたり、その突飛すぎる行動ゆえに、すっかり変人扱いされていた。ある日、アイスランドで開催された世界王者決定戦に出場したフィッシャーは、強者たちが名を連ねる中、強豪ソ連のチャンピオン、ボリス・スパスキー(リーブ・シュレイバー)と対決を迎える》
世界中のチェスファンが固唾をのんで見守る中、米ソが互いに国の威信をかけて死闘を繰り広げた「世紀の対決」を描いた本作は、「ロッキー4/炎の友情」(1985年、シルベスター・スタローン監督、主演、脚本)をチェスに置き換えたような趣がある。「それは僕も分かる気がします。『ロッキー4』は冷戦下における『アメリカVSソ連』の対決を構図に描かれた物語ですからね。『ロッキー4』では、(腕立てや走り込みといった米国人ロッキーの)原始的なトレーニングと、(栄養管理とデータを重視したソ連側の)科学的なトレーニングといった手法の違いも描かれていましたね」