日本で公開中の映画「完全なるチェックメイト」の撮影に臨むトビー・マグワイア(アニープラネット提供)【拡大】
それにしても、凡人には到底理解できそうにもない、奇想天外なフィッシャーという人物像に、マグワイアはどう近づいていったのだろう。「誰を演じるにしても言えることなのですが、人間とは、色彩、ニュアンス、他者との間にある力学などでその百パーセントが作り上げられているものだから、俳優が『これだ!』という特徴だけを抽出しても、演じきれる代物ではないのです。僕らはなるべく人物のすべてを見せようとするのだけれど、映画には時間の制約があるから、そこまではできない。しかし、与えられた、限られた時間の中で、極力その人の持つ色をにじませ、その人の真実に肉薄しようと心がけています。僕が俳優として取り組んでいるのは、こんなことなのです」(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)
■TOBEY MAGUIRE 1975年6月27日、米カリフォルニア州生まれ。子役として俳優キャリアをスタート。2002、04、07年「スパイダーマン」シリーズで主演し、スターの座を不動のものにする。09年「マイ・ブラザー」ではゴールデン・グローブ賞主演男優賞にノミネートされた。06年「さらば、ベルリン」、13年「華麗なるギャツビー」など。