【大人の時間】
日本の伝統工芸を現代の形に融合させて製造販売を手がける中川政七商店(奈良市)。1716年創業の奈良サラシの老舗だが、現在は3ブランドを立ち上げ約40店舗を全国展開する。中川政七商店が手がける「遊 中川」本店は、明治時代に建てられた築100年の中川家の家屋をそのまま生かし、昔ながらの趣を残す。
「遊 中川」はオリジナルテキスタイルからバッグや小物、生活雑貨を製造販売するショップ。天井を見上げれば、麻布の検品をしたという竹がところどころに渡されている。ほかにも布の商いを行っていた当時の面影があちこちに残っている。
優しい布の風合い
商品が並ぶ棚やテーブルは、蔵に残っていた岡持ちや机といった家具類をそのまま活用。ふすまを開ければ畳敷きの広間があり、自慢の庭を見渡すこともでき、落ち着いた雰囲気のなか商品を選べる。
「作り手の顔が見えるよう、生産地などは必ず明記します。ファブリックは正倉院の宝物や小紋など、古くから伝わる柄を現代の息吹として伝えるよう配置や色を社内デザイナーが工夫。テキスタイルに落とし込んでいます」と広報の長野宏美さん。