自分と違う「文脈」
大友さんの最近の活動で目立つのは、“プロ以外の人たちとの共演”。とくに東日本大震災の被災地、なかでも10代を過ごした福島での新しい「盆踊り」など、多くのイベントを展開している。
そのきっかけは10年ほど前、神戸で知的障害を持つ子供たちと交流した「音遊びの会」だったという。音遊びの中で気づいたのは、「自分がやってきた音楽は(自分だけの)“文脈”を外れたときに、ほとんど機能しない」ということだった。
例えば、「音遊び」の最中、楽器の音などではなく、部屋の換気扇の音に反応する子がいたり…。それは、知的障害者の人にも、「自分たちの文脈」があるということだった。社会の中ではなかなか受け入れられない文脈だが、音楽では許される。「そう気づいたときに、自分が知っている世界だけじゃないところの価値観に、扉を開けてもらった」と振り返る。そして「自分も違う文脈のところにも行けるようにしたい」。そう思った。(原圭介/SANKEI EXPRESS)