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温かくユーモラス 鉄を知り尽くした技 「スペインの彫刻家フリオ・ゴンサレス」 (1/4ページ)

2015.12.14 10:00

フリオ・ゴンサレス「ダフネ」1937年ごろ。ブロンズ鋳造=2015年12月8日(提供写真)

フリオ・ゴンサレス「ダフネ」1937年ごろ。ブロンズ鋳造=2015年12月8日(提供写真)【拡大】

  • フリオ・ゴンサレス「叫ぶモンセラのマスク」1938~39年ごろ。ブロンズ鋳造=2015年12月8日(提供写真)
  • フリオ・ゴンサレス「叫ぶモンセラのマスク」1938~39年ごろ。ブロンズ鋳造(提供写真)

 【アートクルーズ】

 職人かたぎのアーティストで、「抽象彫刻」「鉄の彫刻」の草分けと呼ばれるスペインの彫刻家、フリオ・ゴンサレス(1876~1942年)は、パブロ・ピカソ(1881~1973年)に鉄の溶接技術を教えた。ゴンサレスの日本初の大型回顧展が世田谷美術館(東京)で開かれていて、そのていねいな仕事ぶりと、どこかユーモラスで温かな作風に癒やされる。

 展示会場に入って間もないところに、「ダフネ」が立っている。高さ140センチの作品は抽象的だが、何かの樹木のようでもあり、人間の踊る姿のようにも見える。

 ギリシャ神話で、エロス(キューピッド)がアポロンに「恋」の矢を、ダフネに「拒否」の矢を射たために、アポロンから逃げるダフネは最後に月桂(げっけい)樹の木に変身してしまった。そんなエピソードを思わせるように、作品はユーモラスだが悲しげでもある。何より、美術館の窓から見える自然あふれる風景と美しく調和している。

ピカソに溶接技術を教え

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