【アートクルーズ】
現代美術を象徴する写真展と、古美術を生かした床の間の展覧会が、千葉市美術館(千葉市中央区)で開かれている。その主(あるじ)は国際的にも評価の高い美術家、杉本博司(1948年~)。まったく題材の違う両展だが、その底に流れているのは、「悠久の時間のその刹那に、人間はどんな人、美、真理に出合えるのか?」という共通の問いかけではないだろうか。
開館20周年を記念する杉本の展覧会は、「ジオラマ」「劇場」「海景」のシリーズ写真を展示する「今昔三部作」と、杉本自身が収集してきた古美術品による「床のしつらえ」を見せる「趣味と芸術-味占郷」に分かれている。この二部構成について、千葉市美術館の水沼啓和学芸員は「現代美術と江戸時代の美術を柱にしている当館にふさわしい」と説明する。
生命復活へつなげるもの
「今昔三部作」には1970年代の初期の作品のほかに、日本では初公開となる「オリンピック雨林」(2012年)、「テアトロ・デイ・ロッツィ、シエナ」(2014年)も展示されている。写真の作品16点はどれも大判プリントで、前に立つと、迫力ある画面に吸い込まれそうだ。