【アートクルーズ】
生き物のように外に向かって増殖しては、毎回本人の手で消されてきた淺井裕介のアートが、いま一つのターニングポイントを迎えている。彫刻の森美術館(神奈川県箱根町)で開かれている個展「絵の種 土の旅」には、張り巡らせたテープに描く「マスキングプラント」と泥絵が合体した初めての立体作品が登場。「残す」作品として陶器の「ヤオヨロズサマ」も展示されている。「将来、自分の壁画に囲まれた中で人が暮らせるような作品も残したい」と、新境地を語る淺井。今後、どんな世界が展開していくのか楽しみだ。
2階に展示されている立体作品「土の旅」は高さ約5メートル、幅約16メートル、奥行き約17メートルに及ぶ大作だ。何本もの太い根をあらわにした大木を思わせる。そこにはさまざまな動植物が描かれ、生物たちが住み着きながら、持っている生命力やエネルギーを放出しているように見える。