そのきっかけは、今年1~3月に出展したグループ展「未見の星座〈コンステレーション〉-つながり/発見のプラクティス」(東京都現代美術館)。高さ5メートル、幅50メートルにも及ぶ超大作を描き、消し去った。そして「もうこれ以上、消すという経験は必要ないんじゃないか」と感じたという。
残す作品の一つは「ヤオヨロズサマ」。「泥絵で消えていった土の記憶のようなものを小さな小片に見いだした」という陶器の作品は、自然に限らず、人工物の中にも宿る「小さな臆病で力を持たないような神様たち」だ。
淺井の自然に対する考えが変わった。神聖で、なかなか手の届かなかった自然は今、「仲良くなれる」存在に変化した。今回、人工の絵の具やのりを使っているのも「自然は気にするほど弱くはない。普通に使ってもいいと言ってくれていると感じたから」だ。