世界へ発信する気概を反映　「明治有田　超絶の美　万国博覧会の時代」 (1/4ページ)

　【アートクルーズ】

　１６００年代初頭、肥前有田（佐賀県）に日本で初めて誕生した磁器・有田焼（伊万里焼）。明治時代には貿易の自由化と産業振興の国策を背景に、大きくて精緻なデザインの製品を生み出した。そごう美術館（横浜市西区）で開かれている「明治有田　超絶の美　万国博覧会の時代」には、初公開５０点以上を含む「明治有田」約２００点が並び、世界にアピールしようという時代の気概や情熱が伝わってくる。

　ウィーンで高評価

　「染付蒔絵富士山御所車文大花瓶」は、明治有田の花瓶としては最大級の高さ１８５センチ。１８７３（明治６）年のウィーン万博に出品されたことが、残されている記録写真で分かる。

　全面に青い染付（コバルト）で富士山や龍文を描き、その上に御所車やサクラを蒔絵（まきえ）であしらう。蒔絵の漆が付着しやすいように、その部分には釉薬（ゆうやく）をかけていないという高度な技術だ。

江戸期の古伊万里と比べ、明治有田はどう違うのだろうか？