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世界へ発信する気概を反映 「明治有田 超絶の美 万国博覧会の時代」 (2/4ページ)

2015.9.17 14:00

「染付蒔絵富士山御所車文大花瓶」(1873(明治6)年、有田ポーセリンパーク蔵)=2015年3月7日(提供写真)

「染付蒔絵富士山御所車文大花瓶」(1873(明治6)年、有田ポーセリンパーク蔵)=2015年3月7日(提供写真)【拡大】

  • 深川製磁「色絵鳳凰文大花瓶」(1900(明治33)年~1920年代、公益財団法人鍋島報效会蔵)=2015年3月10日(提供写真)
  • 香蘭社「染付藤文洋食器」(1910(明治43)年頃、公益財団法人立花家資料館蔵)=2015年3月10日(提供写真)

 日本政府が初めて公式な出品をしたウィーン万博では、佐賀出身の大隈重信が博覧会事務局総裁、佐野常民が副総裁を務めたこともあり、地元の有田焼は優遇されたようだ。ともあれ、ウィーン万博で日本の工芸品は高い評価を受けたことから、政府は翌74年、半官半民の「起立工商会社」を設立し、国策として陶器、銅器、漆器などの製作、販売を奨励する。

 呼応するように佐賀県でも75年、有力な窯業者が集まり、日本で最初の陶磁器製造会社「香蘭社」が発足した。79年には経営方針の違いで、経営者の一部が「精磁会社」(97年に解散)として分かれるが、会社組織となったことで、フィラデルフィア(76年)やパリ(78年)、メルボルン(80年)と続く万博に向け製品の質の向上や品質管理などに力を発揮していく。

 同じく海外に輸出されていた江戸期の古伊万里と比べ、明治有田はどう違うのだろうか。顕著な特徴は、製品の大きさとデザインの精緻さだ。巨大とも言える製品に極めて微細なデザインを施すという、普通は結びつかないような方向が不思議なバランスで統合されている。

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