【アートクルーズ】
「すごいぞ、これは!」という、ちょっと風変わりなタイトルがついている美術展が、埼玉県立近代美術館(さいたま市浦和区)で開かれている。北海道から沖縄県まで、何らかの障害を持つ12人が出品している。それぞれの表現は違っているが、心に訴えてくる力と情熱は、どれも健常者を超えているように見える。
「繰り返し」への情熱
しろさんは、栃木県内に住む30代の女性。他人と話せなくなり、恐怖感を覚えて、精神科のクリニックに通っている。彼女の作品には少年が登場し、その多くは、いじめや自殺、疎外感などをリアルなシーンとして表現していて、見る者の心に突き刺さる。独学だが、その絵の技術のレベルは確かだ。
そうしたネガティブな作品の中に、動物との触れ合いや、家族との温かい思い出を描いた作品が交じる。こうした絵を描くときに彼女の心は、満たされているのだろうか? 彼女の思いとは関係なしに、見る者は救われる気がする。