「一期一会」の大切さ
杉本はジオラマ撮影に関連して、こんなことも書いている。
「人がいなくなった後、その博物館の屋根は腐り落ち、朽ち果てたジオラマに生きた蔦(つた)が絡み、夏草が茂っている。そんな光景を、夢想癖の私は想像してしまう」
その光景は、そのまま「阿古陀形兜(あこだなりかぶと)」のしつらえにつながる。朽ちかけた室町時代の兜の中に、須田悦弘のリアルな彫刻「夏草」があしらわれ、見る者は、人の世のはかなさを思う。
だからこそ杉本は、「一期一会」の出会いの大切さを説くのだろう。(SANKEI EXPRESS)