初期は絵画を彫刻にしたような2次元的な作品が多いが、後年はピカソのキュビスムの影響が感じられ、さまざまな角度から見ても面白い抽象作品がみられる。ピカソがスペイン内戦に関連して「ゲルニカ」を発表した1937年、ゴンサレスによる農婦の像「モンセラ」も、パリ万博のスペイン館に並んで展示された。今回は「叫ぶモンセラのマスク」が展示されている。
ゴンサレスは1931~32年ごろ、メモにこんな言葉を残している。「幾世紀の昔、鉄の時代が始まった。美しいものがたくさん生まれたが、不幸にもその多くは武器だった。今ようやく、この物質には、芸術家の平和な手によってたたかれ、鍛えられるための扉が、開かれるのだ」
しかし、第二次大戦中、志半ばでこの世を去った。ブランクーシのように終戦後まで生き延びていたら、評価はもっと高まっていたに違いない。