安直なお涙ちょうだい映画とは一線を画す本作の世界観を表現するため、広末は、あえて役を作り込まず、ごく自然な演技で自分なりの千恵像を構築していくことにした。
本作には、仕事と子育てを両立させようと無我夢中の父親や母親にとっても新鮮なメッセージがちりばめられているのではないか-とも広末は語る。
「自分なりに理想を持ってはいても、時間に余裕がなかったり、体力が追いつかなかったりして、なかなか実現できないのが現実です。映画を観賞する暇すらないかもしれませんが、もしこの映画を見ていただけたとしたら、皆さんは日常生活にひそんでいる小さな幸せに目を向けるようになるでしょう。例えば、『自分はこうやって両親に育ててもらったんだな』と思い返してみたり。お子さんがいらっしゃる方であれば、『今日は子供を叱らずに、優しく抱きしめてあげよう』なんて思うかもしれません。もしかしたら、明日からでもすぐに日常生活に生かせるメッセージが盛り込まれているかもしれませんよ」。1月9日から全国拡大公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:荻窪佳(けい)/SANKEI EXPRESS)