北朝鮮の核実験への対抗措置として韓国軍が8日に再開した軍事境界線付近での対北宣伝放送に対し、北朝鮮の金己男(キム・ギナム)書記は8日、平壌で開かれた「実験成功」の祝賀大会で演説し、「情勢を戦争の瀬戸際へと追い込んでいる」と非難した。宣伝放送の再開に北朝鮮側が反応したのは初めて。
また、平壌市内では9日、街頭に「水爆実験に成功した勢いで今年の総進軍を力強く推し進めよう」と、核実験を機に生産現場などでの成果向上を呼び掛けるスローガンが出始めた。
韓国に中国限界論も
「朝鮮労働党大会を勝利者の大祝典として輝かせよう」と書かれた看板も並び、5月初めに予定される党大会に向けて、国民の士気を鼓舞するムードが漂う。
朝鮮労働党機関紙、労働新聞は9日、論説で「敵の挑戦を無慈悲に粉砕し、民族の自主権を守る軍事力を備えた」と強調した。
一方、韓国軍は9日も宣伝放送を続けたが、北朝鮮の軍事的挑発は確認されていない。「国際社会の動向を見極めている」との見方が韓国国内では支配的だ。中国の反発覚悟で強行された核実験に、韓国では「中国限界論」さえ出ているものの、北の暴走を阻止するには中国に期待するしかないというのが実情だ。