認知症などで身元不明のまま保護された人の情報が掲載された静岡県のホームページ=2016年1月11日(共同)【拡大】
個人情報の取り扱いをめぐっては、災害時の安否不明者の公表でも対応が分かれている。広島市で2014年8月に発生した土砂災害では、市が5日後に公表した。一方、同年9月の御嶽山(おんたけさん)噴火で、長野県は一部の家族の意向を受け、不明者の氏名を出さなかった。
個人情報保護に詳しい京都産業大法務研究科の安冨潔客員教授(刑事法)は「現状では個人情報保護条例の内容や解釈で、都道府県の対応は分かれてしまっている」と指摘。「厚生労働省は自治体任せにせず、公開情報の統一基準を設けた上で、家族が行方不明者を見つけられるようにHPの知名度も上げる必要がある」と話している。(SANKEI EXPRESS)
■認知症の行方不明者 警察庁は認知症による徘徊などが原因で行方不明になった人が、2013年に年間1万人を超えたと公表。厚生労働省は14年8月、ホームページに身元不明者の発見につながる特設コーナーを開設し、14年9月には認知症で身元不明のまま保護されている人が全国で35人に上るとする初の調査結果を発表した。このうち6人は10年以上身元が分からないままだった。各自治体は市民や関係機関が参加して不明者の見守りや捜索、通報を行う「徘徊(はいかい)・見守りSOSネットワーク事業」などを実施している。