高安(たかやす、左)は御嶽海(みたけうみ)をよりきりで破った=2016年1月13日、東京都墨田区の両国国技館(鴨川一也撮影)【拡大】
立ち合った直後に得意の左を差すと、やや圧力負けしながらも慌てなかった。押し切れず引いてきた御嶽海にしっかり付いていき、最後は力強く寄り切った。勢い余って落ちた土俵下から戻る相手の背中を右手で軽く支えた。健闘をねぎらう余裕を漂わせた。
この日の朝。2歳下の御嶽海(みたけうみ)が一気に番付を駆け上がっていく姿に、自身の過去を重ね合わせていた。高安も新十両、新入幕、新三役とスピード出世を果たし、常に「平成生まれ初」の称号を背負ってきた。
「(御嶽海の今の)気持ちが分かります。怖さを知らない。がむしゃらにやれているはず」と想像し、だからこそ、この勝負に価値を見いだした。「勝つことにすごく意味が出てくる。大事な一番ですよ」。並々ならぬ決意で土俵に立った。
完勝で「自分の実力が発揮できている」と、白星を並べた初日からの4日間に手応えを感じている。昨年は同じ平成生まれの照ノ富士に大関昇進で先を越された。左脚負傷で初休場の憂き目にも遭った。本来の地力さえ戻れば、役力士復帰も近い。新年を迎え「番付を上げたい。その気持ちが強い」と決意を語った。再飛躍へ上々の滑り出しだ。(藤原翔/SANKEI EXPRESS)