初春新派公演「糸桜」(松竹提供)【拡大】
原作中、十数年分を抜き出して、計約100分間展開しながらも味わいは深い。脚本と演出に無駄がなく、凝縮されたエッセンスを表現する俳優の力量による。波乃はエネルギッシュな女丈夫ながら、もろい部分もにじませる。市川は歌舞伎らしさが残る演技が、新派に不思議としっくり合う。若妻らしい大和の口調は時としてコミカルで、深刻になりがちな嫁姑問題に救いをもたらす。ただ表現にはもう一段の深みがほしい。1月25日まで東京・三越劇場。(藤沢志穂子/SANKEI EXPRESS)