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【花緑の「世界はまるで落語」】(41) 乾いた心に芝居という潤い (1/4ページ)

2015.9.8 15:00

共演者の皆さんとは家族のように仲良くさせていただきました。華はやっぱり(大和)悠河(やまと・ゆうが)さん!(柳家花緑さん提供)

共演者の皆さんとは家族のように仲良くさせていただきました。華はやっぱり(大和)悠河(やまと・ゆうが)さん!(柳家花緑さん提供)【拡大】

  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)とその一門。(前列左から)花ん謝(かんしゃ)、鬼〆(おにしめ)、花緑、初花(しょっぱな)、柳貴家雪之介(やなぎやゆきのすけ)、(後列左から)圭花(けいか)、緑太(ろくた)、フラワー、緑君(ろっくん)、花いち(はないち)、まめ緑(まめろく)、花どん(はなどん、提供写真)
  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)とその一門。(前列左から)花ん謝(かんしゃ、3人目の弟子)、鬼〆(おにしめ、2人目の弟子)、花緑(師匠)、初花(しょっぱな、最初の弟子)、柳貴家雪之介(やなぎやゆきのすけ、弟子ではなく一門に入門)、(後列左から)圭花(けいか、10人目の弟子)、緑太(ろくた、7人目の弟子)、フラワー(8人目の弟子)、緑君(ろっくん、4人目の弟子)、花いち(はないち、5人目の弟子)、まめ緑(まめろく、6人目の弟子(女性))、花どん(はなどん、9人目の弟子(花緑さんの弟子はこの時点で9人)=2012年7月7日現在
  • 【本の話をしよう】「落語が教えてくれること」(柳家花緑著/講談社、1000円、提供写真)

 今年の夏は、私にとって夢のような特別な夏になりました。落語家である私が大好きな演劇で初めての主役、いわゆる座長公演をさせていただきました。

 「南の島に雪が降る」。名優・加東大介さんの戦争体験が物語になっています。

 飢えとマラリアで多くの兵隊が犠牲になったニューギニアのマノクワリという戦地に送り込まれた加東さんは、士気が下がる兵隊たちのために、司令官命令で演劇をやっていたという実話で、映画やテレビドラマ、そして舞台でも度々上演されてきた名作です。

 生きていくために必要なもの

 戦後70年の節目に企画されたこの舞台。もちろん、戦争を繰り返さないために、戦争を知らない僕らのような人間に向けたメッセージが込められた作品ですが、それだけではなく、この作品の魅力はジャングルの中の戦地に「マノクワリ歌舞伎座」という立派な芝居小屋を建てて、本格的な芝居に臨むというナンセンスにもみえる状況が実際にあったということ。「瞼(まぶた)の母」など名作を次々兵隊たちが稽古を重ね披露していたこと。カラッカラに乾いたたくさんの兵隊たちの心にどれほど多くの潤いをもたらしたことか。

“テッパン”は川崎麻世

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