白鵬(奥)が変化からの上手出し投げで栃煌山(とちおうざん)を下した=2016年1月18日、東京都墨田区の両国国技館(共同)【拡大】
大相撲初場所9日目は18日、両国国技館で行われ、横綱白鵬は立ち合いの変化からの上手出し投げで関脇栃煌山(とちおうざん)を下し、大関琴奨菊(ことしょうぎく)も魁聖(かいせい)を寄り切ってともに9戦全勝とした。横綱日馬富士(はるまふじ)は琴勇輝(ことゆうき)を上手投げで退け、1敗を守った。平幕の隠岐の海(おきのうみ)と高安(たかやす)は2敗目を喫した。
決着後、消化不良の感をまとった「あぁー」というため息が館内に広がる。立ち合いでぶつかる前に、白鵬が右手を栃煌山の顔に突き出し、目をつぶってしまった相手の突進をかわすように、左へ体を開く。触った程度の左上手から出し投げを放ち、あっさり転がした。
勝負に要した時間はわずか0秒9。引き揚げてきた支度部屋で、横綱は「申し訳ありません」と反応の悪かった来場者へわびたが、栃煌山に対し「頭を使わなきゃね。力比べじゃないんだから」と苦言も。
馬力自慢の栃煌山に、先場所は奇襲「猫だまし」を2度繰り出した。一発の当たりは相手をねこそぎ持っていく力を秘めているからこそ、白鵬には真正面から受け止めては危険、との思いがあるのだろう。(SANKEI EXPRESS)