少年時代からのライバル、琴奨菊(ことしょうぎく、右)をとったりで破った豊ノ島=2016年1月22日、東京都墨田区の両国国技館(今野顕撮影)【拡大】
入門した頃。「2人で関取になれればいいね」と励まし合っていた。14年がたった今、優勝を争う重要な局面で対戦。豊ノ島は「楽しみとかいう気持ちは土俵に上がる前まで。普段仲がいいから余計に負けたくない」と覚悟を決めていた。
琴奨菊の鋭い当たりに後退するが、左に回り込んで圧力をかわす。そして、右腕を抱えてとったりで横転させた。敗れた琴奨菊は「しょうがない。負けは負け。しっかり気持ちを切り替える」と振り返った。
豊ノ島にとって、自身が優勝争いに残る価値ある1勝でもあった。「せっかく引きずり降ろしたので、こうなったら大関(琴奨菊)と2人で日本人力士の優勝ができるよう頑張る」。この男にも念願の初賜杯への意欲が芽生えてきた。(SANKEI EXPRESS)