「特定失踪者」の家族や支援者らが2015年11月29日に山口県岩国市で開いた集会。調査会の調べで、特定失踪者約500人のうち127人が、自衛隊や在日米軍施設周辺に住んでいたり、行方不明になったりしていたことが新たに分かった(共同)【拡大】
北の教本記述と一致
調査会は今後、対象者の失踪の背景について検証を進めるとともに、防衛省に真相の究明を要請する。自衛隊や在日米軍施設に所属していたとの情報がある9人についても、失踪の詳細を調べる。
調査会は2011年6月から昨年10月にかけ、特定失踪者が行方不明になった地点などを改めて検証する現地調査を実施した。その後、失踪当時の住所、最後に所在が確認された場所と自衛隊、在日米軍の施設の場所とを比較。住所などが施設に近いことに加え、自衛隊員やその家族が利用する可能性のある施設近くの繁華街との距離も考慮し、調査会が「近い」と判断した121人をリストアップした。
調査会は昨年末、北朝鮮で工作組織の教本とされる「金正日主義対外情報学」を入手した。その中に「軍事戦略的に重要な地帯に情報組織を整備して積極的に活動すれば、重要な情報資料を多く収集することができる」との記述があり、調査会の荒木代表は「北朝鮮の工作員が日本での拠点を選ぶ中で、自衛隊や在日米軍施設の近くということになったのではないか」と指摘。「『誰かを拉致してこい』という指令があったら、拠点の周辺で条件にあった人間を物色する可能性が考えられる」と話した。