「インテリでクレバーなのに照れて隠す」「人間味があって狂気や暴力性も秘めている」と互いを評する赤堀雅秋さん(右)と光石研(みついし ・けん)さん=2016年1月22日、東京都世田谷区(宮川浩和撮影)【拡大】
社会が抱える問題内包
毎日の暮らしを繰り返す中で、思考が止まっているかにも見える。赤堀はその停滞した空気感から、現代に通じる世界観をも伝えようとする。「昭雄と田所の被害者と加害者の関係で言えば、日本と韓国、中国などが思い起こせることはにおわせたい」。光石も「日本や社会が抱える問題が内包されている。語句を少し入れ替えたら分かるのではないかな」と話す。
そしてテロや国際関係、原子力発電や米軍基地問題などまでも。「多くの人は『対岸の火事』だと思っている。でも実は生活の地続きにある問題だと自覚しなければいけない。流されず踏みとどまり、考える時期に来ていると思う」と赤堀。
奥深い作品で赤堀は執筆に呻吟(しんぎん)、光石は当初、台本の全容がなかなか明らかにならず焦ったという。だが同じ事務所の田中が「大丈夫だから」と不安を取り除いてくれた。「たたずまいで見せる芝居でハードルは高い」。小劇場の空間で、役者個人の人間性もむき出しになる舞台となる。(文:藤沢志穂子/撮影:宮川浩和/SANKEI EXPRESS)
【ガイド】
2月5~21日、東京・シアタートラム。問い合わせは世田谷パブリックシアターチケットセンター(電)03・5432・1515