芯の強さ感じた逸材、コロイ
《グアテマラの高地で農業に従事する両親の手伝いに明け暮れる17歳のマリア(マリア・メルセデス・コロイ)。コーヒー農園で働く青年、ペペに恋心を抱いていたが、両親は地主のイグナシオにマリアを嫁がせようと考えていた。作物が収穫できないと、農場から追い出されてしまうからだ。ほどなくペペの子供を身ごもり、出産に備えていたマリアは、毒蛇にかまれ、大都市の病院へ運ばれたが…》
映画が始まるとすぐに、マリア役を演じた一般人のコロイと、母親、フアナを演じた女優、マリア・テロンの圧倒的な存在感に驚かされる。
ブスタマンテ監督は、コロイを、「現地で開催したオーディションで見いだした逸材」と紹介した。「男性優位で、女性は『男性に従うだけでよし』と差別的な扱いを受けるのが常識の現地コミュニティーにあって、オーディションに来てくれたコロイは、物怖じすることなくしっかりと私に視線を合わせてきました。そのたたずまいに静かな芯の強さを感じ、私は即座に彼女を主人公に据えることに決めました」と胸を張った。
テロンに対しては、度を超えた豊富さは悪であるという本作の切り口も鑑み、抑制した演技を求めたという。「彼女は演劇を生業とし、地方巡業を続けてきたプロの女優。どうしても表現の仕方が強くなってしまう傾向があるのです」