【KEY BOOK】「物語の作り方」(ガルシア・マルケス著、木村榮一訳/岩波書店、3240円)
物語は読む者の心を掴み、遠いところであれうんと近いところであれ、我々をどこかへ攫っていく。映画やTVドラマも同様だ。マルケスは脚本家としても天性の才能を発揮した。本書はガボと若い10人の脚本家が30分のTVドラマを創りあげるプロセスを対話的に再現したもので、随所でガボの意外な創作方法が見える。物語の中で何が生まれ落ち、何が成長して何が歪んでいくのか、そのことを構成するのが物語の本来なのである。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)
■まつおか・せいごう 編集工学研究所所長・イシス編集学校校長。ガルシア・マルケス『百年の孤独』と出会ったのは、工作舎を退いて元麻布に引っ越した約30年前。様々な文学や映画、言語学や確率論を渉猟し、ゆとりある思索三昧を過ごしていた頃だった。最新の千夜千冊は1599夜「枕詞論」(http://1000ya.isis.ne.jp/)