【BOOKWARE】
10月末の2日間、渋谷パルコ劇場の『影向』(ようごう)にかかわった。ぼくが構成台本を書いて田中泯が演出振付けをし、宮沢りえ・泯・石原淋・松岡・山本耀司が舞台に立った。「フレイジーダンス」と銘打ったが、中身はこれまで誰も見たことがないもの、聞いたことがないもの、感じたことがないものにした。両日、超満員だった。
舞台には薄墨色の大きな和紙が何枚も垂れ、100冊ほどの本が無造作に積まれている。基本哲学はこうだ。(1)セリフはない。本から言葉が体に入って出ていく。(2)全員がヨウジの服を体で受けて着脱する。(3)言葉が踊り、体が語る。(4)「素なるもの」が劇場に染まって脱色される。(5)みんな「難民」なのである。(6)どこかに「遠い父/遅い母」がいる。(7)陽水の歌、ハープシコード、音響、マルチノフのピアノはしばしば客を襲う。(8)ふいに「今日」の日常が顔を見せて会話する。