【BOOKWARE】
王子が星にいたとき、一本の薔薇が咲いた。その星では薔薇はめずらしかったので、とても美しかった。それなのに薔薇はつれない素振りだった。七番目の星の地球に来てみたら、薔薇はそのへんの庭にいっぱい咲いている。五千本の薔薇が咲いている庭もあった。王子はちょっとがっかりしたけれど、たくさんの薔薇がやがて枯れるのだということも知った。
キツネが声をかけてくれた。ぜひとも遊びたいと思ったら、「あんたとは仲よくないんだから遊べないんだ」と言う。王子はびっくりした。キツネは慣らされていないから遊べないらしい。「だって、あんたとはなついてないだろう」。いったい「なつく」ってどういうことなのか。人間は何を大事にしたいと思っているのか。王子はいろいろのことを考えるようになった。
『星の王子さま』はかんたんな童話ではない。中学生の頃に読んだときは、「ゾウを呑みこんだウワバミの絵」(下図)が変てこで、全体も「変てこって何か」ということだけが書いてあると思ったほどだった。