星の王子さまは「なつく」とは何かということを考えた。星に咲いた薔薇はなつけないから、つれなく見えたのだ。キツネは人間に殺されることを解除してもらわなければ、なつけなかったのだ。それなら人間が勝手に開拓開発してきた土地は、人間と地球とをどう「なつかせて」きたのか。王子は砂漠に井戸を掘ることを思いつくまで、この謎にたっぷり悩んだ少年だった。ぼくもまたさらに20年ほど悩みたくなってきた。
【KEY BOOK】「人間の土地」(サン=テグジュペリ著、堀口大学訳/新潮文庫、596円)
サン=テグジュペリが飛行体験から得たもの、思索したことが、綴られている。僚友の意味、飛行機とは何か、眼下に見える地球の意識が前半に観照される。後半、アルゼンチンで招かれたお伽話のような一軒家での出来事が挟まって、サハラ砂漠での原住民の魅力、生きるために飛び、死ぬために飛ぶことが最後に語られる。読んでいくとだんだん胸が詰まり、だんだん大きなもの、「空の大地」に出会っていける。