流れはこうだ。耀司が服を投げ、ぼくがミショーや寺山や土方巽の片言を持ちだすと、泯がその一切を絡めた体になる。宮沢りえが今様(いまよう)をしてクローデルの繻子の靴や白秋の桐の花になり、石牟礼道子の「はにかみ」を全身で爆発させていく。それらを淋が濡れたり乾いたりしながら空間縫製する。全員が泯の放出する月文字に照らされ、ぼくが蘇軾(そしょく)と賢治の詩を紙や布から引き剥がすと、五人が後景に吸い込まれるように消えていく。
圧巻は、宮沢の哀切極まるフラジャイルダンス、安井浩司の俳句連射を浴びた泯のフレイジーダンス、淋の持ち重りの動的姿態である。ぼくは岡井隆の短歌、プレヴェールの「ゴムの匂い」、ファノンの黒くて白い皮膚、富永太郎のシュールな暴言などを「声という体」にすることに努めた。