米下院監視・政府改革委員会の公聴会に臨む医薬品企業チューリングの前最高経営責任者(CEO)、マーティン・シュクレリ氏(中央)。強欲むき出しの不遜な態度は、さらに国民の怒りを買った=2016年2月4日、米国・首都ワシントン(ロイター)【拡大】
米国で医薬品業界への批判が渦巻いている。標的となっているのは開発から数十年立った医薬品の販売に関する権利を買い取り、医薬品の価格をつり上げることで収益を上げる企業群。なかでも医薬品企業チューリングの前最高経営責任者(CEO)のマーティン・シュクレリ氏(32)は4日の米下院監視・政府改革委員会での公聴会で証言拒否を繰り返し、議会や米国民の猛反発を買った。背景にあるのは1人当たり医療費が世界最高水準にあるという米国の医療事情。医療費の高さは医薬品業界の責任だけに帰せられるものではないが、シュクレリ氏の悪目立ちは医薬品業界のイメージ悪化を加速させている。
13.5ドルが750ドルに
「私が耳を傾けるのは私の弁護士の助言。あなたの助言ではない」。シュクレリ氏は4日の公聴会で、後ろに控えた弁護士から耳打ちを受けた後、薄ら笑いを浮かべながら証言を促す議員らの要望を一蹴した。
シュクレリ氏は公聴会で、議員らの「悪い行いをしたという意識はあるのか」などの問いかけに繰り返し証言を拒否。公聴会終了後はツイッターに「こんな知能の低い奴らが国民を代表していることは受け入れがたい」と投稿した。監視・政府改革委員会のミッシェル・グリシャム下院議員(56)は「シュクレリは患者のことを考えたことがあるのか」と怒りを露わにした。