捜査関係者は「逮捕は供述による部分も大きい。捜査のハードルは高く、さらに慎重な調べが必要だ」と厳しい見通しを語る。県警は昨夏、同じ施設で起きた不審死などを遡(さかのぼ)って検索できるシステムを構築したが、捜査幹部は「県警内部での情報共有が十分ではなかった」と認める。
「自力は考えにくい」
一方、当時から不審点も浮上していた。丑沢民雄さん=当時(87)=と14年12月31日に転落死した女性=当時(96)=は要介護3、12月9日に転落死した女性=当時(86)=は要介護2。転落したベランダは約1.2メートルの手すりがあり、過去に同様の事故はなく「自力で乗り越えるのは考えにくい」(捜査関係者)との見方があった。
転落死が相次いだ後、今井容疑者は当直勤務から外れた。施設側は「疑ったわけではない。周囲が怖がったため」と説明する。その後は転落死は発生せず、今井容疑者は15年5月に窃盗容疑で逮捕。懲戒解雇処分となっていた。(SANKEI EXPRESS)