一礼をしてから片手で刀の柄にあたる茎(なかご)を持つ。全体の形(体配)を見たあと、鍛錬の跡が表れた「地肌」(じはだ)や、硬度を増すためにする「焼き入れ」でできた波形の模様「刃文」を鑑賞していく。
講師を務めた学芸部調査課・技術係の宮島進さん(47)は、「人を殺傷する武器を美術品として鑑賞していることを、いつも心の片隅においてほしい」と話す。刀の美しさにわれを忘れ、急に体の向きを変えたりすると、隣の鑑賞者を傷つけてしまう恐れがある。とくに慣れてきたころが危ないという。
今回参加した6人のうち2人が女性。その一人で市民劇団に所属しているという東京都八王子市の中深乃(なか・みの)さん(46)は、殺陣の師匠から勧められ、3カ月も待って、ようやく実現した。受講後「刀を実際に手にとって見る機会はなかったので、楽しかった。重みや切れるものだということを実感でき、ちょっと怖さもあった」と振り返った。