そして終盤にタイムトライアルの王者であるチェン(香港)が単独でアタックを仕掛け、ゴールラインまで先行した。新城が懸命に追走したが、20キロ以上を一人で逃げるチェンの強さが上回っていた。そして、チェンから6秒ほど遅れて、新城が2位でゴール、3位にも日本の別府史之(トレック・セガフレード)が続いた。
新城は、ゴール後に「レース距離が予定どおりだったなら、間違いなくチェンに追いつき、勝つことができていたのに…」と、悔しさをにじませたが、それ以上に25歳のチェンの強さが突出していた。
オリンピック出場枠がかかっていた女子エリート・ロードレースでは、韓国のナ・アルムが優勝し、日本は萩原の3位が最高位。ジュニア女子では、高校1年生の下山美寿々(大阪教育大付属高校)が優勝したものの、他国に差をつけられる結果に終わった。東京オリンピックに向けて、さらなる強化が求められるだろう。(写真・文:フリーランスカメラマン 田中苑子(そのこ)/SANKEI EXPRESS)
■たなか・そのこ 1981年、千葉生まれ。2005年に看護師から自転車専門誌の編集部に転職。08年からフリーランスカメラマンに転向し、現在はアジアの草レースからツール・ド・フランスまで、世界各国の色鮮やかな自転車レースを追っかけ中。