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文明社会はハンセン病(癩病)を差別しつづけた 『ハンセン病:日本と世界』という記念すべき一冊 松岡正剛 (3/5ページ)

2016.2.28 14:30

 【KEY BOOK】「世界ハンセン病紀行:出会いと復権の七つの旅」(平沢保治著/かもがわ出版、1728円)

 平沢さんは14歳のときに全生園に入所して、難病をかかえつつハンセン病の患者・回復者に支援と元気をもたらす活動にかかわり、地域の社会福祉運動を率先してリードしてきた。性格は明るく、平沢さんによってハンセン病についての啓蒙が大きく広がっていった。本書はその平沢さんが中国・ハワイ・インド・韓国・スペイン・アメリカの療養施設を訪れ、現地の同病者と屈託ない交流を深めた記録。

 【KEY BOOK】「世界のハンセン病現代史」(トニー・グールド著/明石書店、7344円)

 ハンセン病についての本はかなり刊行されているが、全容は掴みにくい。近代医学をも戸惑わせた医療と薬学の苦闘、苛酷な患者の歴史、各国の療養所や収容所の実態、貧困と差別とともに語らざるをえない見方の変遷など、問題は多岐にわたるからだ。そうしたなか、本書は現代につながるハンセン病をめぐる多様な経緯を歴史と地域を交差させながらなんとか記述しきった大著。ただし欧米中心。アジア・日本版の登場が期待される。

現在の世界と日本のハンセン病の現状

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