【KEY BOOK】「宿命の子:笹川一族の神話」(高山文彦著/小学館、2700円)
ハンセン病の世界的制圧にとりくんだ笹川良一と笹川陽平の父子の社会活動(いまは日本財団が活動を統括している)は、その成果とともにすでに知られているところだが、これまでの佐藤誠三郎『正翼の男』から工藤美代子『悪名の棺』などの評伝や研究によっても、その「意図」と「本音」はなかなか伝わってこなかった。多くのルポルタージュで鋭い筆鋒を見せてきた高山の本書は、いよいよその核心に迫ったもので、読みごたえがある。
【KEY BOOK】「ハンセン病:日本と世界」(ハンセン病フォーラム編/工作舎、2700円)
日本財団の依頼でぼくと工作舎が編集構成した。できるかぎりハンセン病についての「知」「民」「医」「人」「史」が俯瞰できて、かつ現在の世界と日本のハンセン病の現状がヴィヴィッドに感じられるようにした。おそらく最も実感値の高い一冊になったと思う。「資料篇」「ハンセン病を読む」というページも設けたので、参考書籍にも目を通してもらえるとありがたい。多くの写真群、笹川陽平・高山文彦の対談も見逃せない。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)